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マウザー Kar98K   タナカワークス



 タナカワークス製のガスボルトアクションライフル、マウザーKar98K。
 中古で手に入れました、ストックは木製、レシーバーは金属製、革スリング付です。
  実銃は、第二次世界大戦でナチスドイツ軍に使用された歩兵銃です。マウザーGewehr98のバリエーションのひとつ、Karabiner:騎兵銃型で、7.92mm×57、8mmマウザー弾を使用します。今では騎兵銃・カービン銃というと接近戦用として特殊部隊が使いますが、これは一般の歩兵用です。歩兵に接近戦をさせようとしたのではなくて、昔は小銃がとても長かったから短くしたのでしょう。「騎兵銃」でも1mを超える長さですし。
 二次戦ドイツ軍というと自動火器という印象がありますが、ドイツは歩兵銃は従来の小銃の改良をするに留まり、実際に自動式の歩兵銃を配備できたのはアメリカでした。お金とか国力の違いでしょうね



 マウザーライフルはKar98K以前にいろいろバリエーションがあり、各国でライセンス生産されています。メキシコが舞台のマカロニウエスタン映画「群盗荒野を裂く」では盗賊団がメキシコ政府軍の基地からマウザー小銃をたくさん盗み出していました。メキシコだからライセンス生産のメキシカンマウザーか?と思ったら、撮影に使われたのはスパニッシュマウザーだそうです。
 オチキス機関銃が出てきて、盗賊の首領が「マウザーライフルと弾を共用できる」と言ってました、オチキスについて調べてみると、メキシコに輸出されたモデルは7mmマウザーを使うようです(そんな弾があったのかとびっくりしました)。とするとメキシカンマウザーは7mmマウザーを使用するのでしょうかね(スパニッシュマウザーは7mmマウザーのようです)。アメリカは米西戦争でそのマウザーライフルの威力を見て高初速弾の.30-03弾(後に.30-06に発展)を開発し使用するようになったそうです。その弾を使用するライフルであるスプリングフィールドM1903は、マウザー社にお金を払って買ったボルトアクションのパテントを基にして作られました。自動化する前からドイツはすごいですね。
 まぁ上記のバリエーションの話はKar98Kではないのですが、Gew98を手に入れてインプレを書くことはおそらくないのでここで書いておきます。

 日本で一般的に呼ばれている「モーゼル」は日本で最初に紹介されたときにそう書かれたからだそうで、ドイツ語に近い発音は「マウザー」です。ですが上記の盗賊首領のセリフでは「マゥゼル」とも「モォザ〜」とも聴こえました。何語だったかはっきり知りませんが(マカロニなのでイタリア語でしょうか)、外国語の発音は日本語の五十音と同じものはないそうなのではっきりしませんねぇ



 フロントの先端。バレルの下にはダミーのクリーニングロッドが付いています。ダミーなので外れません



 分解。クリーニングロッドはバレルに代わって重みを受けることもあるでしょう、曲がってます
 マズル部分は特にロックするものはないので、フロントサイトはすぐにずれたり回ったりします



 フロントサイト、自動拳銃でありそうな形。後ろ側は反射防止のためのセレーションがあります
 フロントサイト上のフードはスライドさせて外せるようです、さらにサイトの左右の調整もできるようです



 リアバンドにスリングスイベルが付いてます


 リアサイト。射距離に応じて調整できるタンジェントサイトですが、距離に合わせてもそこまで飛びません。と説明書にも書いてあります(笑)常識的にわかりそうなことですが、苦情対策なのか



 タンジェントサイトは細かく調節できる



 最も高くしたところ。横にあるレールのようなものは、スコープを付けるための部品



 「bnz 43」の刻印、これは製造年度と製造工場を表している・・・のだったような気がする



 ボルトはここまで引ける



 ボルト周り、ここが素晴らしい



 ボルトを開いたところ。マガジンが見えます
 43の刻印とガス放出工の間にマガジンリップがある
 弾をクリップ装填するときのクリップを挿す隙間もありますね



 左から右へ向かってボルトコック。・・・それぞれ端から二番目は同じ画像でもよかったですね
 右手のひらの左のほうで押し上げてボルトハンドルを起こす。薬指と小指の付け根でボルトハンドルを引っかけて引っ張り後退させる。手のひらの下のほうでハンドルを押して戻す。親指の付け根でハンドルを倒す。この動作がとっても面白い。

 右端、コッキングするとコッキングピースとかいう部品が後退します
 決まった位置まで回さないと動かず、それでも適正な位置に合わせるとすんなりと後退する、この機械的な動作が素晴らしいです



 ボルトストップ、弾倉内の弾がなくなるとボルトを後退位置で停止させ・・・ません。次の弾を入れてボルトストップを解除しても、ボルトが前進して次弾が薬室に装填されたりはしません。
 これを開くとボルトリリースができます。ボルトをあんまり勢いよく引いていると、この部品の突起が傷むでしょうね



 ボルトを抜き取ったところ



 ボルト。油を切らさないようにします



 ボルトハンドルの根元にも刻印がある



 セフティ、撃発状態でのみ起こすことができます



 裏から。青矢印の部位がマガジンキャッチ、ボルトが開いたときに押すとマガジンを取り出せます



 赤矢印でホップ調整、黄緑矢印でストックとレシーバーの固定



 マガジン、タナカのガスボルトアクションライフルはどれもこんなマガジンのようですね



 マガジンを抜くと空洞



 タナカらしい仕上げの木製ストック(比較対象はひとつだけなのであまりらしいとか言えませんが)



 床尾板、きれいな表面仕上げです。こことフロントサイトフードは鉄製、ネジやバネ以外の他の金属部品は亜鉛製



 弾を装填するとこんな感じか?…これは8mmマウザーではありません



 マガジンを途中まで入れてダミーカートを上に載せてます。
  マガジンハウジングが空洞になってるのでこんなことができます



 持っていて楽しく、撃って面白い、素晴らしいライフルでした。



 では総評。最近の流行りは現行米軍とか海軍特殊部隊やPMC装備で、二次戦物はマイナーになってますね。それでも二次戦物のなかではマウザーKar98Kは人気で、トイガンも数社から製品化されています。このタナカ製はそのなかでも特に良いものでしょう。
 こういう木製ストックの、いわゆる木と鋼の銃は、実用性がないかのように言われます。最初はとりあえず弾が出て見た目だけ良いものかと思ってましたが、このガンは見た目だけでなく操作性も良いですよ。ボルト操作が最高です。ボルトハンドルを正しい位置まで上げないと動かず、しかし動作が渋いのではなく正しい位置まで合わせるとスムーズに後退させられます。って上のほうで同じこと書きましたね。感触も音も実銃を操作しているような気分になれます(実銃触ったことないですが)。
 動作はしっかりしていて見た目もきれいで、私はやはりタナカ製品が好きだと思いました。タナカワークスはあまり良い評判を聞きませんが、私は好きです。
 手に入れてから数日はよくボルトハンドルをがちゃがちゃやってました、ボルト操作がとても面白いです。…元々ショットガン畑の人間だったつもりですが、どうしたんでしょうね
 マルシンやD-Boysと違ってライブカートではないですが、それでも十分リアルなボルトアクションライフルと言えるでしょう。


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